飲食業への転職で後悔が起きる理由
入社後に「思っていた条件と違った」と感じる原因の多くは、能力や適性ではなく、条件の確認が足りなかったことにあります。よくある5つを先に見ておきましょう。
- 給与の内訳を見ていなかった
- 月給の金額だけで決め、そこに固定残業代が含まれていたことに入社後に気づく。
- 休日の数え方を確かめていなかった
- 「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いを確認せず、想定より休日が少なかった。
- 営業時間と勤務時間を同じものと考えていた
- 店舗の営業時間と、自分が働く時間帯は別です。開店前の仕込みや閉店後の作業が加わることもあります。
- 配属先が決まっていなかった
- 選考後や入社後に配属店舗が決まる募集もあり、通勤時間が想定と変わることがあります。
- 1社だけで判断した
- 比べる相手がないと、その条件が自分に合っているかどうかを判断できません。
後悔の原因は、応募する側の準備不足だけではありません。求人票に書ける情報には限りがあり、書かれていない部分は聞かないと分かりません。条件を確認することは、失礼なことではありません。
転職前に整理したい自分の希望条件
求人を見る前に、自分が何を優先したいのかを決めておくと比べやすくなります。すべてを満たす求人を探すのではなく、次の4つに仕分けてみてください。
- 譲れない条件
- これが満たされないなら見送る、という条件。1つか2つに絞ると求人を選びやすくなります。
- できれば満たしたい条件
- 満たされると嬉しいが、他の条件次第では譲れる範囲のもの。
- 相談できる条件
- 勤務地や勤務時間帯など、入社後の相談で変わる可能性があるもの。
- 今より悪くしたくない条件
- 給与、休日数、通勤時間など、現状を下回ると生活に影響が出るもの。今の数字を先に書き出しておきます。
給与は月給の金額だけで判断しない
求人票の月給は、いくつかの要素を合わせた金額です。金額だけを並べても、実際の働き方に見合うかどうかは分かりません。
- 月給に何が含まれるか
- 基本給だけの場合と、固定残業代や各種手当を含む場合があります。内訳の記載を確認します。
- 働く時間とセットで見る
- 同じ月給でも、1日の勤務時間や月の休日数が違えば、時間あたりの条件は変わります。
- 今の給与と同じ形に揃える
- 今の職場の月給に何が含まれているかを書き出し、同じ区切りで比べます。
- 手取りとは別の金額
- 求人票の金額は税や社会保険料を引く前のものです。手取り額は扶養や住む地域によって変わります。
このページでは金額の目安は示しません。給与は職種、業態、地域、経験、勤務条件によって変わるため、求人ごとの記載を確認してください。
基本給・固定残業代・手当の確認方法
月給の中身は、次のように分けて読むと比べやすくなります。特に固定残業代は、金額の見え方を大きく左右します。
- 基本給
- 賞与や割増賃金の計算のもとになる金額。月給のうち基本給がいくらかを確認します。
- 固定残業代(みなし残業代)
- 一定時間分の残業代をあらかじめ含めて支払う仕組みです。「何時間分か」「いくら分か」「超えた分は別に支払われるか」の3点を確認します。
- 役職手当
- 店長や副店長など、役割に応じて支払われる手当。役職が変わったときの扱いも確認しておきます。
- 深夜手当・休日手当
- 深夜帯や休日の勤務に対する割増分。深夜営業のある店舗では月ごとの金額差が出ます。
- 通勤手当・住宅手当など
- 支給の有無と上限額。配属先が遠くなる可能性がある場合は特に確認します。
- まかない・食事補助
- 金額ではなく現物で支給されるもの。生活費への影響を考えるときの材料になります。
賞与・昇給・想定年収の確認方法
月給が同じでも、賞与と昇給の扱いによって1年間の収入は変わります。金額そのものより、どうすれば上がるのかが分かることが大切です。
- 賞与
- 支給の有無、年に何回か、実績があるか。「業績による」と書かれている場合は、直近の支給実績を面接で確認します。
- 昇給
- 年に何回か、何を基準に決まるか。基準が説明できる企業は、入社後の見通しも立てやすくなります。
- 想定年収
- 月給に賞与や固定残業代を足した金額です。求人ごとに前提が違うため、内訳を揃えてから比べます。
- 評価のタイミング
- 評価の時期と、その結果が給与に反映される時期を確認します。
- 試用期間中の条件
- 試用期間の有無と長さ、その間の給与や待遇が本採用後と違うかを確認します。
年間休日・週休・希望休の違い
休日は表記の意味を取り違えやすい項目です。同じ「週休2日」でも指す内容が違います。
- 年間休日
- 1年間の休日の合計日数。記載があれば、企業間で最も比べやすい数字です。
- 週休2日制
- 月に1回以上、週2日の休みがある制度です。毎週2日休めるとは限りません。
- 完全週休2日制
- 毎週必ず2日の休みがある制度です。ただし曜日が固定とは限りません。
- シフト制
- 曜日を決めず、月ごとのシフトで休日が決まります。土日の休みやすさは店舗によって違います。
- 希望休
- 希望を出せる日数と、申請の締め切り。何日まで出せるかは企業や店舗で異なります。
- 連休・長期休暇
- 連休が取れるか、年末年始や夏季の休みがあるか。
「週休2日制」と「完全週休2日制」は意味が違います。求人票の表記をそのまま読み、判断できないときは面接で確認してください。
勤務時間・休憩・深夜勤務の確認
勤務時間は、生活のリズムに最も直接影響する条件です。営業時間の記載だけでは、自分が何時から何時まで働くかは分かりません。
- 1日の所定労働時間
- 契約上の勤務時間。8時間、7.5時間など求人ごとに違います。
- 営業時間と勤務時間は別のもの
- 開店前の仕込みや、閉店後の片付け・締め作業が勤務時間に含まれるかを確認します。
- シフトの時間帯
- 早番・遅番・通しなど、どの時間帯を担当するか。固定か交代かも確認します。
- 休憩の取り方
- 休憩時間の長さと、実際にいつ取れるか。混雑の状況によって取り方が変わることもあります。
- 残業時間の目安
- 月の平均的な残業時間。固定残業代の時間数と合わせて見ます。
- 深夜勤務の有無
- 22時以降の勤務があるか、何時まで営業しているか。生活のリズムに直接関わります。
- 早朝勤務の有無
- 開店前の仕込みで早朝から勤務する業態もあります。
配属先・転勤・異動の確認
通勤時間は毎日積み重なる条件です。配属先が決まっていない募集では、候補となる店舗まで含めて考えておきます。
- 配属先が決まる時期
- 応募の時点で決まっているか、選考後や入社後に決まるか。
- 通勤時間と交通手段
- 配属候補の店舗までの通勤時間。候補が複数ある場合は、いちばん遠い店舗も想定しておきます。
- 転勤の範囲
- 転居を伴う異動があるか、あるならどの範囲か。
- 異動の頻度
- 店舗の異動がどのくらいの間隔であるか。
- 希望を伝えられるか
- 配属や異動について希望を出せる仕組みがあるか。
求人票だけでは分からないこと
求人票には決まった項目しか書けません。次のようなことは、記載がなくても不誠実というわけではなく、聞いて初めて分かる部分です。
- 1日の仕事の流れ
- 「ホール業務全般」と書かれていても、担当する範囲は店舗によって違います。
- 店舗の人員体制
- 1つのシフトを何人で回しているか。人数によって忙しさが変わります。
- 繁忙期と閑散期
- 業態によって忙しい時期が違い、休みの取りやすさに影響します。
- 教育や引き継ぎの進め方
- 入社後にどのくらいの期間で、何を覚えるのか。
- 一緒に働く人の年代や経歴
- 職場の雰囲気は数字では表せません。写真や面接での様子が手がかりになります。
- 評価制度の実際の運用
- 制度としての基準と、現場での運用が一致しているか。
面接で確認してよい質問
条件の確認は、面接で聞いてよいことです。相手を問い詰める形にせず、入社後を具体的に想像するために聞く、という姿勢で伝えると話しやすくなります。
- 勤務時間と休憩 1日の勤務時間と、休憩の取り方を教えていただけますか。
- 残業 月の平均的な残業時間を教えていただけますか。
- 固定残業代 求人票に固定残業代の記載がありましたが、何時間分にあたるかを教えていただけますか。
- 希望休 希望休はどのように決めていますか。
- 年間休日 年間の休日数と、連休の取りやすさについて教えていただけますか。
- 配属先 入社後の配属先はいつ頃決まりますか。
- 転勤 転居を伴う異動の可能性について教えていただけますか。
- 昇給・評価 昇給や役職登用は、どのような基準で決まりますか。
- 1日の流れ 入社後に担当する業務と、1日の流れを教えていただけますか。
- 人員体制 1つのシフトは何名くらいで回されていますか。
- 試用期間 試用期間の長さと、その間の勤務条件を教えていただけますか。
すべてを1回の面接で聞く必要はありません。自分にとって優先度の高いものから3つほど選ぶと、話の流れを保ちやすくなります。
複数の求人を同じ条件で比較する方法
1社だけを見ても、その条件が良いのかどうかは判断できません。同じ項目を並べて比べると、違いがはっきりします。次の表は、どの項目を求人票で読み、どの項目を面接で確認するかを分けたものです。
| 項目 | 求人票で確認すること | 面接で確認すること |
|---|---|---|
| 基本給 | 月給の内訳に基本給の記載があるか、金額はいくらか | 賞与や昇給が、どの金額をもとに計算されるか |
| 固定残業代 | 有無、何時間分か、いくら分か | 超えた分が別に支払われるか、実際の残業時間との差 |
| 想定年収 | 記載されている年収の幅と、その前提 | どの経験・役職でその金額になるか |
| 賞与 | 支給の有無、年間の回数 | 直近の支給実績と、評価との関係 |
| 昇給 | 有無と時期 | 何ができると昇給につながるか |
| 年間休日 | 日数の記載、週休2日制か完全週休2日制か | 実際に取得できている日数、繁忙期の扱い |
| 希望休 | 制度としての記載の有無 | 月に何日まで出せるか、いつまでに申請するか |
| 勤務時間 | 所定労働時間、シフトの時間帯 | 開店前・閉店後の作業が勤務時間に含まれるか |
| 休憩 | 休憩時間の長さ | 混雑する時間帯にどのように取っているか |
| 深夜勤務 | 営業時間、深夜手当の記載 | 深夜帯のシフトに入る頻度 |
| 配属先 | 勤務地が店舗名かエリアかの記載 | 配属が決まる時期と、候補となる店舗 |
| 転勤 | 転勤の有無の記載 | 転居を伴う異動の範囲と頻度 |
| 試用期間 | 期間の記載 | 期間中の給与や待遇が本採用後と違うか |
求人票に書かれている項目でも、面接で補足を聞いて構いません。書かれていない項目は、聞かなければ分からないものと考えてください。
条件を確認してから応募を判断する
条件を比べた結果、「今は転職しない」という判断もあります。比べたうえで今の職場に残ると決めることも、確認をした意味があります。
- 今の職場に残る
- 比べた結果、今の条件のほうが合っているなら、無理に動く必要はありません。
- 条件の合う求人だけを見る
- 譲れない条件を満たす求人に絞れば、探す時間を減らせます。
- 気になる求人の条件を読む
- 求人ページで勤務時間・休日・給与の記載を確認し、足りない部分を面接で聞きます。
- 応募して面接で確認する
- 応募は入社を決めることではありません。面接で条件を確認したうえで判断できます。
UPROキャリアは飲食・接客業専門の中途採用サービスです。求人ごとに勤務時間・休日・給与の記載を確認でき、応募の前にAIコーチと面接の練習ができます。
希望から求人を探す
求人を見ることは、応募することではありません。今の職場と休日・給与・勤務地を比べるところから始められます。
給与・休日・勤務時間を比べられる新着求人
UPROキャリアに掲載中の飲食・販売サービスの求人から、新しく公開されたものを紹介します。休日や給与は企業ごとに違うので、条件を見比べてください。
Disney HARVEST MARKET 正社員募集
人気店 Disney HARVEST MARKETの正社員へ|ディズニーの世界観を届けるカフェ
伊右衛門 正社員募集
未経験から伊右衛門カフェの正社員へ|お茶と和カフェが好きな方歓迎
ROSEMARY'S TOKYO 正社員募集
【未経験歓迎】ROSEMARY’S TOKYOの正社員へ|新宿駅直結の人気イタリアンカフェ
よくある質問
Q
求人票の月給には何が含まれていますか?
求人によって違います。基本給だけを示している場合もあれば、固定残業代や役職手当、深夜手当などを含めた金額を示している場合もあります。内訳の記載を確認し、書かれていなければ面接で聞いてください。
Q
「週休2日制」と「完全週休2日制」は何が違いますか?
「週休2日制」は月に1回以上、週2日の休みがある制度です。毎週2日休めるとは限りません。「完全週休2日制」は毎週必ず2日の休みがある制度です。ただし休む曜日が固定とは限らないため、土日に休みたい場合は別に確認してください。
Q
固定残業代があると損をしますか?
一概には言えません。何時間分が含まれているか、超えた分が別に支払われるかによって受け取り方が変わります。時間数と金額、超過分の扱いの3点を確認したうえで、他の求人と比べてください。
Q
面接で給与や休日を聞くと不利になりませんか?
条件の確認は面接で聞いてよいことです。入社後の働き方を具体的に想像するために聞く、という伝え方であれば、話しにくくなることは多くありません。優先度の高いものから3つほどに絞ると、話の流れも保ちやすくなります。
Q
年間休日が書かれていない求人はどう見ればよいですか?
週休の表記やシフトの決まり方から、おおよその休日の考え方を読み取ったうえで、面接で年間の休日数を確認してください。記載がないこと自体が問題とは限りませんが、確認しないまま判断しないことが大切です。
Q
条件を比べるだけで、応募しなくてもよいですか?
問題ありません。UPROキャリアの求人はログインなしで見られます。今の職場の条件と見比べて、動かないと決めることもひとつの判断です。